敬語表現は小学校高学年から習います。
でも中学生に聞いても高校生に聞いてもほとんどの子が
「敬語、苦手~」
「どれが謙譲でどれが尊敬とか全然わかんない」
と言います。
敬語には主に尊敬語・謙譲語・丁寧語の3種類がありますが、みんながよく悩むのは目上の人の行動に対して使う尊敬語と、自分や身内を下げることで相手への敬意を表す謙譲語。
そもそもその「上げる」とか「下げる」という意味がよくわからないんですよね。
私は授業で敬語について聞かれたら、シーソーの絵を書きます。
タメ語(笑)でしゃべっているときの二人はフラットな関係。
でもそれをどうにかして相手の方が立場が上だと表現したい。
そのためには相手を上へひっぱりあげるか、自分を下に下げますよね。
相手を上げる時に使うのが尊敬語、自分を下げる時に使うのが謙譲語です。
みなさんは芸能人格付けチェックという番組をみたことがありますか?
格付けが高い芸能人には高級なスリッパやイスが用意され、格が低くなると便所スリッパや貧相なイスに座ります。
それの言葉バージョンだと思ってください。
偉い人には偉い人用の尊敬語「いらっしゃる」「召し上がる」「ご覧になる」などを使って「この人えらいですよー!」と主張し、自分や身内にはしょぼい人用(笑)の謙譲語「参る」「拝見する」「申し上げる」などを使うことで「こっちの方が相手より下ですよー」と示すわけです。
では丁寧語は何かというと、これは話に出てくる登場人物にかかわらず、その話を聞いてくれる人や読んでくれる人のためにつける飾りです。
文末にです、ます、ございますをつけたりすることで、聞いたり読んだりしてくれている人に対してソフトな言い方になります。
上品な自分を演出したいときにも使えますよ。
尊敬語・謙譲語・丁寧語、まずはこの3つの違いを理解しておくと、敬語は学びやすいのではないかと思います。
敬語は問題を解くよりも日常生活で練習するのが一番効果があります。
先生や目上の人と話すときには、ぜひ敬語を使うように心がけてみましょう。
また、お店の人がお客にどんな言葉で話しかけているのかもよく観察してみるといいと思います。
「敬語なんてかたくるしくて嫌いだ!」
「別に使えなくたって生きていける!」
と言うひともいると思います。
確かに相手に敬語を強要されたら嫌な気持ちになります。
でも敬語はルールではなく、本来は自分の気持ちを表現するために使うもの。
冠婚葬祭での作法やマナーなどと同様に、全ては相手への気配り、心配りからうまれたものです。
本当に自分が大切に思っている人物に出会った時に、その敬意を伝える表現方法としてマスターしておけると素敵だと思いますよ。