前回の設計図作りの続きです。
こちらの設計図をもとに、感想文を書いてゆきます。
書く時の注意点
下書きは人に見せるものではないので、読める字であれば汚くてかまいません。
それよりも、なるべく手をとめずにスピーディに書くことを心がけましょう。
手が遅いと、書いているうちに頭の中に浮かんだ文が消えてしまいます。
ちなみに教室ではなるべく手をとめないようにするため、消しゴムの使用も禁止しています。
文を書き慣れていない子は、一文にいろいろと詰め込みすぎてしまう傾向があります。
一文の情報量が多くなると、文が乱れやすくなりますし、いいたいこともうまく伝わりません。
「。」までに3行を超えるようであれば、どこかで2文、3文にわけましょう。
1枚目
設計図での1つ1つの項目が段落になります。
あまり長いようならさらに分けても良いですし、短いのであればまとめて1つの段落にしてもかまいません。
設計図ではきっかけとおかしいポイント1の途中で1枚書く予定なので、きっかけは原稿用紙半分程度書けば良いと予想がつきます。
おかしいポイントは3つあるので好みの書き方で並べてみましょう。
「おかしいと思った理由は3つあります。1つ目は・・・。2つ目は・・・。3つ目は・・・。」
「おかしいと思いました。たとえば・・・。それに・・・。他にも・・・。」
「まず・・・。次に・・・。最後に・・・。」
など、いろいろな書き方があります。
最初に本の中でもったいないばあさんがどんなおかしな行動をしているのか、詳しく説明しましょう。これは本の説明なので、本文を引用しても良いですし、自分でまとめてもOKです。
絵本を選んだ人はどんな絵が描かれているのかを説明しても良いと思います。
説明出来たら今度は自分の考えを書きます。
よく本の説明だけで終わってしまう子がいるのですが、自分の気持ちを伝えるために話の説明をしているので、必ず意見や感想を述べるようにしましょう。
2枚目
2枚目に入りました。
ここで一度、量がちょうど良いか確認しましょう。
この作文は完成品なのでほぼ予定通りの枚数におさまっていますが、もし文量がたりないなら「こんな気持ち悪いことをしてたら嫌われちゃう」とか、「こんな人がいたらきっとみんなこんな反応するに違いない」とか、感想をより具体的にしてみましょう。
多すぎるようならあらすじ部分を簡略化することもできます。
どうしても予定通りの量にできなければそのままでもかまいません。
最終的に3枚におさまれば良いのですから、別の段落で文字数を調節すれば良いだけです。
多ければそれ以降を少なめ、少なければ多めにと微調整しながら進めて行きましょう。
2枚目ではおかしいポイントの2つ目とおかしいポイントの3つ目を書きます。
1枚目の時と同じように、本でどのように書かれているのか、それに対してどう思っているのかを書いて行きます。
ここで意識してほしいのは、今書いている文は「もったいないばあさんがいかにおかしいのか」を伝えるための文であるという事です。
勢いでつい違うことも書きたくなってしまうかもしれませんが、「それでおかしさが伝わる?」と自分に問いかけて話題がずれるのを防ぎましょう。
よくやってしまうのは、段落を混ぜてしまうというミスです。
ポイント①行動がおかしい
ポイント②他の人がいない
ポイント③もったいないことを見つける力
と決めているのですから、①の段落で人がいないことや見つける力のことを書くと構成が崩れてしまいます。
この段落はこの話題、この話はこちらの段落で・・・というように、きちんと分けて書くようにしましょう。
3枚目
3枚目に入るときも量がちょうど良いか確認します。
最後は展開とまとめを書きます。
指定枚数が3枚であれば、2枚半はこえたいところです。
この設計図では展開部分の情報量が少ないので、量を書くには少し技術が必要です。
心配なようなら設計図の段階でもう少し具体的に書いておくと良いでしょう。
たとえば、もしもの話(自分がこういうことしたら出てくるかも)や、予想の話(きっとこういう気持ちでやってくるに違いない)などをを入れてみると長さを追加できます。
まとめでは前回の記事で、自分の話で終わると良いと伝えました。
よくあるのは「私も頑張りたい」「僕も見習いたい」など自分の目標で終わるパターンです。この子もそれに入ります。
もう少したくさん書きたければ「そのためにはこういうことをすると良いと思います」というように、具体的な実行方法を加えてもいいでしょう。
別に何も目指してないよ!ということであれば、無理に自分の目標にする必要はありません。
「こうしたことを考える良いきっかけになりました」と今後の話はあえて語らずに終わらせたり、
「みんながこう思うといいなと思います。」「自分にはどうしたらいいかわからないけど、いい方法がこれから開発されるといいなと思います。」
というように、希望を述べるだけで投げっぱなしにするやり方もあります。
本心ではないことを無理矢理書く必要はないので、嘘じゃないけどそれっぽい言い方をうまく考えてみましょう。
以上で下書きまで書き終わりました。
このやり方の良い所は
・書く内容が最後まで決まっているので目の前の文だけに集中できること。
・枚数の目安があるので、後から大幅に削ったり加筆する必要がないこと。
です。
読書感想文に限らず、論文や報告書などまとまった量の文を書く際にも役立つと思うので、ぜひやり方をおさえておきましょう。