①導入 段落をしってる?
「段落」ってわかりますか?
子どもたちに
「段落ってしってる?」
と尋ねると、ほとんどの子は
「一字下がってるところ」
と答えます。
ほとんどの子がその程度の認識です。
確かにこれはこれで正解なのですが、本当は「意味のまとまり」としての段落をちゃんと意識できると、とても便利なのです。
②【便利さ具体例1】読解問題
たとえばちょっと難しめの長文読解問題を解く時、私はいつも段落ごとにささっと簡単なタイトルをつけます。
「ここは導入部分、○○の話題」
「これは△△はなぜかという問いかけ」
「問いかけに対する答え」
「答えに出てきた■■についての具体的な例」
という感じです。
そうするとどんな内容がどのように配置されているか、そのタイトルだけを見てざっと把握することができます。
「△△の理由を抜きだせ」
なんて問題が出てきても、どこの段落に何が書いてあるかおおむねわかっているので
「問いかけの答えだったらこのあたりで探せばいいな」
とだいたい検討をつけることができます。
「■■と同じことを表す言葉を文章中から抜き出せ」
という問題なら■■を言い換えている段落に注目して探せばいいのです。
読解文が苦手な子は、意味の切れ目を無視して長文すべてをいったりきたりして探そうとするので、それだけで息切れしてしまいます。
③【便利さ具体例2】作文
また、作文を書くときも段落を意識すると楽になります。
ほとんどの子は5枚や10枚の作文をいっきに書き上げようとします。
すると途中で話がずれたり全く関係ない話題が混ざってまとまりのない文になりがちです。
そうならないように気をつけて・・・とはいっても、短い文章ならともかく2000字も3000字もの量を隅々までちゃんとまとまってるか確認しながら書くのはとても大変なことです。
だから全体をどんな順序で書くか、簡単な設計図を作ります。
設計図については以前感想文講座の内容でもふれたことがあります。
そして「ここは足の部分、次に胴体の部分、それから頭の部分」と、ひとつひとつわけて作ってゆくのです。
この足や胴体などのパーツが段落ですね。
全体のバランスはもう特別気にしなくても、各パーツごとの出来栄えを見ながら作ればちゃんとまとまりのある作品ができあがるわけです。
注意する範囲が少なくなれば、矛盾やミスも少なくなります。
小分けにして少しずつ書き進めることもできますし、ひとつ段落を書き終えるごとに達成感があるので、集中力も持続します。
④まとめ 段落は便利
そんなわけで、うちの教室では読み物にはいつも段落番号をつけさせて
「この段落は何をいってるところ?」
など、段落単位で一緒に内容把握していきます。
学校でも段落番号をつけさせたりはしているようですが、どうも子どもたちをみてると
「もっと段落に目を向けたほうがいろいろ楽だよー」
と思うことがよくあります。
得意な人は結構な長さの文も頭のなかでささっと把握できますが、苦手な人にそれを要求するのは酷なこと。
こういう子こそ、段落を意識して小分けに読んで欲しいのです。
長文読解や作文が苦手な人は、まず段落の単位を意識するところからはじめてみることをおすすめします。
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と、今回の記事は、あえて段落タイトルをいれつつ4段落構成で書いてみました。
もう少し難解な文章だと、同じ具体例でも2つや3つの段落にわかれたりします。
それも含めて「あ、この段落とこの段落はつながってるな」と判断できるようになると、スッキリ読めるようになりますよ。