先日授業の中で文章問題に取り組んでいるとき、生徒と一緒に「わる」とか「わける」という話をしました。
会話自体はつながっているし答えも出たのですが、なんだかしっくりこなくて
「あのね、10÷2を絵で描いてみて?」
と言いました。
その子は戸惑ったような表情をして、しばらく考えていましたが、下のような図を描いて
「5個消す」
と言いました。
そこで私からもう1問。
「じゃあ9÷3は?」
その子はまた考えて、下のように描き、「6個消す」と答えました。
割り算はわける計算です。
10個のお菓子を2人でわけるとか、9人を3人ずつのグループにわけるとか、いろいろな場面は想定できますが、「消す」ということはないですよね。
計算の答えだけはわかっていたから、その答えになるように残りのものを消してみたようです。
この子は割り算の計算は自分でできる子です。
でもそれはあくまで九九をつかった計算の手順を知っているだけで、自分が何を求めているのかは理解していないのです。
これは何もこの子だけの話ではありません。
教わった手順をただなぞるだけで、答えは出るけれど意味はわかっていない、そういう生徒はたくさんいます。
なまじ式も答えもちゃんと出るから、テストで発見されることもなくすぎていってしまいます。
でもこれは以前も書いた洗濯機がないと洗濯できないのと同じ状態です。
確かに洗濯はできます。
でも停電や故障、何か不測の事態がおこると、お手上げ状態になってしまうのです。
目の前の問題を解くだけなら、ただ公式ややり方を教えて
「こうやれば答えはでる」
と言えばすみます。
でもこれからさまざまな問題に出会うことを考えるなら、それがどういうことなのかきちんと理解していきたいですね。
というわけでこの子は次回から割り算や掛け算の意味について一緒に考えていく予定です。
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