「まだ習ってないからできませーん」
「九九しらなきゃ割り算できないでしょ?」
そんなことありません。
うちの教室は1年生や2年生でも割り算や方程式の問題を解かせることがあります。
だからといって学校で習っていないような知識を先取りしたりはしません。
つまようじやおはじきを使って数えて 解きます。
九九を覚えたての2年生の子でも、4×11や4×12ができます。
だって4を11回たせばいいんだもの。
この子はまだ園児さんで九九も繰り上がりも知らないどころか、いつも指を使って計算しますが、意味さえわかれば割り算もできます。
あまりがあってもおかまいなしです。
九九や計算、公式などはいってみるならば家電製品です。
ふだんやっていることが面倒で時間がかかるから、なんとか楽にしようと編み出した道具です。
小さな子にいきなり便利な道具を与えると、その子は道具を使わないやり方に戻ることができません。
洗濯機がないから洗濯できませーん
脱水の途中で停電したから、もう一回最初からまわしまーす
手洗いするなり、脱水からはじめるなりやりかたがあるのに、洗濯=洗濯機としかしらない子は応用がききません。
原点にもどれません。
だからまずは
「洗うとはどういうことなのか」
「何をすればきれいになるのか」
という基本的なことを抑える必要があるのです。
それを知っているからこそ洗濯機という道具を使いこなすことができるのです。
てっとりばやい方法を教えて、どんどん問題を解けるようになってくれるととても嬉くなります。
でも幼児期から小学校中学年ごろまでは、まわりくどくてもできるだけ原始的な方法で解決する訓練をしてほしいと私は思っています。
その経験は受験期だけではなく大人になってからもかならず役に立つと思います。
普段の方法に不具合が起きた時、人は原点に戻って解決するからです。
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