話をしっかりと聞き、指示に従い、出された課題はきちんとこなす。
こういう「教えられ上手」さんは、いい塾やいい先生につけばどんどん伸びることが出来ます。
ただ、このタイプの子はいい塾や先生に出会えないと伸びない・・・という落とし穴があったりします。
誰かにあれをしなさい、これをしなさいと指示をしてもらわないと勉強ができないのです。
とはいえ、自分にぴったり合った指導をしてくれる人を探すのってかなり大変です。
どんなに評判がよくても相性が悪いこともあるし、いいところを見つけても遠方だったり時間が合わなかったり・・・。
たまたまいい指導者にめぐりあえたとしても、小学校から中学校、高校へとステージがかわったときに、同じ人に教えてもらえるとは限りません。
また、社会人になったときに仕事を学ぼうと思っても、上司や先輩が上手に教えてくれる恵まれた職場というのはおそらくとても少ないと思います。
結局はどこかの段階で自分で学ぶ力が必要になってくるのです。
教室では高学年の子たちにはできるだけ学習方法を自分で考える練習をさせます。
たとえば以前来ていた子で、一生懸命勉強して理解した内容を一週間ですっかり忘れてしまう子がいたのですが、
「どうしたらいいと思う?」
と尋ねると、
「もっとがんばって覚える」
と答えました。
この「もっとがんばる」はくせものです。
がんばると言った瞬間にその子の思考は停止してしまいます。
必要なのは気合ややる気ではなくて、具体策です。
結局この子はあれこれ話し合った末、
「自分は人よりも忘れやすいので、そのぶんノートを充実させて自分で思い出せるようにする」
ということを心がけるようにし、この教室の勉強だけでなく学校の授業の聞き方もそれでずいぶん変わったという話をききました。
気が短くて集中力が持続しない子なら目標を小分けに設定する、耳から入る情報の方が理解しやすい子なら教科書はなるべく音読して耳で聞く、人に話したほうが理解ができる子はなるべくいろんな子に教えてあげるようにするなど、自分に合った方法を知っていると、何を学ぶときにも役に立ちます。
私が生徒たちに一生
「あなたはこれをやりなさい」「こうしなさい」
といい続けられるわけではありません。
「先生、次なにをすればいい?」
「どうやったら点数上がる?」
と人に聞くのではなく、自分に出来ていることはなにか、足りないところはどこか、何をすれば自分は伸びそうなのかを分析できるようになってほしいなあと思っています。
「ゆとり国語教室があれば安心」
とずっと通ってもらえるのはとてもうれしいことですが、もっと嬉しいのは
「もうゆとり国語教室はいらなくなりました」
と巣立って行くこと。
教室のホームページにも「塾に頼らず、自分で学べる子を育てます」と掲げてあります↓
通ってくださっている生徒さんたちも「いつかはひとり立ちするのだ」という意識を持ってもらえるとありがたいです。