幼児から6年生まで、授業では必ず音読を行います。
学校の本読みとはちょっと違って、私が読み上げたのに続いて、同じ言葉を繰り返すというスタイルで行っています。
不勉強で知らなかったのですが、正確には素読というそうです。
素読については私の個人ブログ「素読(そどく)」をご覧ください。
世の中にだいぶお疲れのおじいさんが書いている文章なので、未来に夢いっぱいの子供たちにはちょっと重いかも。
でも
或いは去年焼けて今年つくれり
或いは大家滅びて小家となる
とか
知らず 生まれ死ぬる人 いずかたより来たりて いずかたへか去る
また知らず 仮の宿り 誰がためにか心を悩まし 何によりてか目をよろこばしむる
のような、対になっている表現。
意味はよくわからなくても声に出して読むとその調子の美しさは伝わります。
だからといって「これは対句だよ」とかいちいち説明はしないのですが、勘のいい子は繰り返し声に出して読むうちに自分で気が付きます。
「ええと、さっき去年だったから次は今年だね」
「『知らず』の文、もう一回出てくるよね」
と、本文を見なくても先を予想するようになります。
こういう文章をサンプルとして頭に入れておくと、自分で文章を書くことになったときに、方丈記の表現をお手本にして対句表現をしてみることもできます。
頭の中にたくさんの例文を持つことができる、これも音読・素読の大きな効果のひとつです。