夏休みが始まっています。
今年も大勢の子が、読書感想文講座を受講してくれています。
ところで、小学校によっては1年生から読書感想文の課題が出されるところがあるのですが、私個人の意見としては、それはまだ早すぎると思っています。
1年生の夏はまだやっとひらがなを一通り習った頃です。
「文字を覚えたから文を書けるだろう」
と考える人もいるかもしれませんが、そんな単純なことではありません。
たとえば大人の私たちが、ローマ字やカタカナでまとまった量の作文を書きなさいと言われたらどうでしょう。
また、すべて鏡文字で書きなさい、左手で書きなさい、そういう縛りで作文を書こうと思ったら、スラスラ書けるでしょうか。
おそらく頭の中に文が思い浮かんだとしても、文字にしようとする時に一瞬思考がとまるせいで、スムーズに書き進められないのではないかと思います。
低学年の子たちはひらがなを覚えたといってもまだ自由に操れるわけではありません。
一文字一文字思い出しながら書けば、当然表現に気を配る余裕などありませんし、文が矛盾していても気が付きません。
それは文章力がないせいではなく、「文字を書く」という作業にたくさんのメモリを消費しているからです。
この時期の子たちに必要なのは、思った字をスラスラ書けるように使い慣れることです。
必要に迫られれば仕方ありませんが、できれば
「字が書けるんだから思ったまま書けばいいでしょ」
などと安易に書かせずに、まずは文字そのものの習得度合いを上げることに集中してほしいなあと思います。
中には1年生でもスラスラと文字を書ける子もいますから、そういう子はぜひチャレンジしてみてくださいね。