教室に入ってくる方は
「あれができない」
「これが苦手」
と、何かしら悩みを抱えている場合がほとんどです。
そして多くの場合、親子ともに、できていないことに対してすごく萎縮しているのです。
「全然できなくて恥ずかしいのですが・・・」
「もう●年生なのにこんなこともできなくて」
と恥ずかしそうに相談される保護者の方。
「この科目は苦手。向いてない」
「全然できないから見ないで」
と下を向く生徒。
いつも思うのは、
「そんなのいいから、前向こう。」
中学生や高校生、英語や数学、色々な子の色々な科目をこれまで20年以上教えてきましたから、正直、できない子なんてもう見飽きちゃっています。
中学3年生でアルファベットを正しくかけない子もいたし、中学1年生で九九がいえない子もいました。
難しい計算問題はできるのに文章題ができないある生徒は、実は問題文の漢字が読めていませんでした。
そんなことでいちいち驚いていたらきりがありません。
たとえその子が何年生だったとしても、知らないものは知らない、できないものはできない。
文句言ったってしょうがないのです。
できていないのならそこからはじめるだけのこと。
自分が何年生だからなんて気にしなくていいのです。
「できなくて恥ずかしい」という感情は、「今の自分に満足していない」「どうにかしたい」というサインです。
それ自体はとても大切なこと。
でもどうにかしようと決めたなら、いつまでも恥ずかしがっている場合じゃありません。
歯医者で
「虫歯があって恥ずかしいから」
と、口を開けなかったら治療できないように、塾に来て
「できなくて恥ずかしいから」
と隠したりうつむいたりしているのは、学習の邪魔になってしまいます。
だから、
もういいから、前向こう。
できるようになるために、何をするか考えよう。
教室に来るすべての子どもたちに言いたいことです。
どんなにできていなくても、恥ずかしくても、今からはじめるんだから負債はチャラです。
大事なのは、今いる場所にこれからどれだけプラスできるかです。
まもなく新しい年を迎えますが、現在の自分の状態をしっかり覚えておきましょう。
今、何ができて、何ができないのか。
恥ずかしいと思うのはどこか。
これからどうなりたいのか。
今のゼロの場所から、2016年という年の間にどれだけのものが積み上げられるのか、楽しみながら学んでいきましょう。
みなさんにとって、新しい年が実りの多いものになるように、微力ながらお手伝いできたらと思っております。
2016年もどうぞよろしくお願いいたします。