読みのテストでも紙のテストでも、途中まで
「よし!一番を取るぞ!!」
「今までの最高得点をねらう!!」
と意気込んでいたのに、わからない問題があったりミスをして目標点に達しないと気付いた途端に、
「あ、もう無理だわ」
と、一気に戦意喪失して投げやりになってしまう子がいます。
こういった子たちがいつも注目しているのは「自分の最高得点」です。
「俺、前にこのテストで100点とった」
「あいつに勝ってクラスで1番になった」
と、一番良いときの成果を大切にしています。
だから記録に結びつかないテストには、早々と見切りをつけてしまうのです。
しかし、本当の実力は最低点にあらわれます。
いつでも最高のコンディションでテストを受けられるわけではありません。
その時その時で様々な体調、状況で受けることになると思います。
「風邪引いてたから」
「忙しくて準備ができなくて・・・」
などと理由をならべても、結果が覆ったりはしません。
これは仕事やスポーツなど色々な場面でも言えることです。
たまに本職顔負けの作品を作る素人や、上位選手を打ち負かしてしまう新人などがいますが、それで素人や新人の方が実力が上とはいえません。
何度も繰り返せばやはり、本職や上位選手が好成績を残すことになると思います。
プロとして活躍する人たちは、いつでも安定した結果を出すという力を持っているからです。
どんなに調子が悪いときでも、たとえミスがあったとしても、最低このラインまでは得点を確保できる。
これがその人の実力です。
だからもし、思った結果が出なさそうなときでも、気を抜かずに少しでも点数を取れるようにあがいてほしいと思います。
本当の実力をつけるために、最低ラインを引き上げるということを意識してみましょう。
では最高点は意味がないのかというと、そういうことではありません。
最高点はその人の可能性だと考えてほしいと思います。
諸条件が揃って偶然出た点数とはいえ、今のその人がそれだけの点数を取る可能性を持っているということです。
まだ安定してその点を取ることはできなくても、もう少しの努力でそこまで到達できると思って、今後の学習の励みにしてほしいと思います。
ふだん行うテストは優劣を競うものではなく、基本的に自分の実力を知るためにするものです。
1回1回の点数が上がった下がったで一喜一憂するのではなく、冷静に分析して自分がどの位置にいるのかしっかり確認しましょう。