最近フリータイムを使って、ひき算の文章問題が苦手だという生徒の解き方をチェックしていました。
文章題が苦手な子は、文をよく読まずに数字の組み合わせで式を立ててしまう・・・というタイプの子が多いのですが、この子はそういう様子でもありません。
「公園に10人いて、家に3人帰りました。」
と書かれていれば
「最初にいたのは10人。3人帰ったから3減る。だから10-3」
と、ちゃんと筋道を立てて式をたてています。
理解できているのに、なぜ学校でそんなに間違えるんだろう?
いったいどんな問題ができないんだろう?
と、あれこれ色々な種類のひき算問題を解いてもらったところ、この子がわからないのは、以下のタイプのような問題だということがわかってきました。
30人のクラスのうち、男の子は14人います。女の子は何人いるでしょう?
確かにひき算をして解きますが、この問題文の中で別に男の子が帰ったわけでもない。
いってみるならばなにも減らない問題なのです。
この生徒は、何も減っていないのにひき算をするということが理解できず、これまで頭をかかえていたわけです。
「文章問題を解くときは、問題文のとおりに式で表していこうね」
などと声をかけていましたが、ただそれだけだとこういう引っかかり方があるんですね。
盲点でした。
その後、この子には類似の問題を出し、
「女の子の数がしりたいけど、男の子じゃまだからどいててもらおうか?」
などと声をかけながら一緒に解いています。
だいぶわかってきたようで、自力で解けるようになるまでもう一息です。
一口に「わからない」といっても、十人十色の「わからない」の種類があります。
問題文をきちんと読めていない子、パターンで解こうとする子、素直すぎて応用がきかない子、自分の空想や予想を盛り込んでしまう子。
できれば、ただ教え込むだけでなく、その子ごとの「わからない」に寄り添いながら、からまった糸をほどいていけたらなあと思います。