年度がかわってあわただしくすごしているうちに、すっかりブログ更新を怠ってしまいました。
これから書くのは、年度末に教室のみんなにやってもらった作業のお話です。
授業の中で同じ内容をいっせいに教えても、習得度合いは人によってさまざまです。
つまずく場所や、納得する説明方法もバラバラ。
だからどんなにうまい教え方をしても、全員一人残らずわかる!ということはなかなかありません。
学校の授業や教科書は、できるだけ大勢の人が理解しやすいようにできていますが、理解の仕方が他と違うタイプの子は、頭が悪くなくても苦労することになります。
この教室に通っている生徒たちの特徴はできるだけ私が把握して、その子に合わせて教えているつもりですが、私にも限界がありますし一生勉強に付き合えるわけではありません。
進学するたびに合う塾を探すのも大変ですし、学校に
「うちの子に合う教え方をしてください」
と頼むのも現実的ではありません。
一般的な学校の教え方に合わないのはその子のせいではありませんが、合わないからといって待ってはもらえません。
だから子どもたちには、一緒に勉強できる今のうちに、自分の学習の特徴を知り、自分に合った学習方法を見つけてほしいのです。
そのために行っているのが「自己分析」の練習です。
たいそうなことをするわけではないのですが、生徒一人一人に
●今、自分ができていること
●できていないこと
●できていない原因(なぜできないのか)
●その対策(どうしたらできるようになりそうか)
を、文にしてもらいます。
特に重要なのは、できていない原因と対策の部分です。
ここはできるだけ具体的に、くわしく書いてもらいます。
ふだん、ほとんどの子は、ただ
「私これがだめなんだー」
「こういうの苦手」
と、ぼやくだけで通り過ぎてしまいますし、じゃあどうしようかと尋ねると多くの子が
「たくさんやる」
「もっとがんばる」
と、安易に答えます。
しっかり向き合って、何がいけないのか、どうやったらできるかよく考える、それだけで学習の仕方はかわってきます。
たとえば「漢字がおぼえられない」と書いてくれた子は何人もいましたが、よくよく話を聞いてみると
「書くのがおそいから、練習して覚えようとしても時間がかかりすぎてしまう」
「覚えるのはできるけれど、時間がたつとすぐ忘れてしまう」
「きちんと覚えたつもりでも、テストのときに書き方が悪くてバツになってしまう」
など、人によっていろいろな原因が挙げられていました。
原因が見えてくれば「漢字が苦手→漢字の練習をする」という方法から、さらに自分に合った対策が立てられます。
なんとなくできない。
なんとなく遅れてる。
そういう子は、一緒に「何がいけないのかな?」「何をやったらよくなるかな?」と一度考えてみてください。
こういう作業を繰り返すうちに、自分に合ったやりかたがみえてくるはずです。