教室ではどの学年もまず最初に必ず音読を行っています。
読む文章は月変わり。
一年に12作品読むことになります。
これまでにも枕草子、方丈記などの古典作品や、いろは歌、走れメロス、蟹工船、日本国憲法などなど、いろいろな作品をよんできました。
「国語力を上げるには音読がいい」
とはよく言われますが、具体的に何が良いのか意外に知らない方が多いように思います。
今日はその効果について書いてみようと思います。
●意味が頭に入りやすい
これはよく言われることですが、音読をすると自分の声を耳で聞くことになります。
文字を目で見て、耳で音を聞く。
これを同時に行うことによって、よりその文章の内容が読み手の中に定着する効果があります。
●文字認識力が高まる
スラスラ文を読むということは、文字の認識が早くなるということでもあります。
文字を一瞬で判断できるようになれば、意味が頭に入ってくるのもはやくなります。
たとえばTシャツなどのロゴに
「わたしは せかいいちの てんさいです!」
と書かれていたら、大勢の人がすれ違う瞬間にすぐに「天才なんだ(笑)」と反応してくれると思います。
でも
「watashiha sekaiichino tensaidesu!」
だったらどうでしょう?
日本人のほとんどはローマ字を読めると思いますが、これを見てすぐに「天才なんだ(笑)」と反応する人はきっとあまりいません。
すれ違うくらいでは何が書かれているのか気がつかない人も多いでしょう。
日本語で書かれていたら、読むつもりがなくても見た瞬間に意味まで認識してしまいますが、読み慣れないローマ字やカタカナで書かれていた場合は、内容を理解するまでに数秒かかります。
音読の練習をして、見た瞬間に意味を理解できるくらい文字を認識できるようにすることは、読解力を高めるためにも大切なのです。
●曖昧な言葉がはっきりする
黙読して読めた気になっても、声に出してみると意外に漢字の読みが曖昧だったり、知らない言葉をなんとなく読み飛ばしてしまっていることがあります。
また、黙読では気がつかないうちにたくさんの文字を読み飛ばしてしまっている人もいます。
すべての文字を声に出して読むことは、自分の読みのあやふやな部分をはっきりさせる効果があるのです。
そのほかにもいろいろ細かい利点はあるのですが、ただ声に出して読めば身に付くというありません。
どんな力を身につけたいのか意識することや、それに合わせた読み方というものがあります。
次回はそのあたりについて、また詳しく書いていこうと思います。