「いまから2分間はかります。覚えられるところまででいいので、できるだけたくさん暗唱してください」
毎回ではないのですが、こんな感じで音読の本文を暗唱させることがあります。
アラームをセットして2分間はかったら、みんながどこまで覚えたか一人一人テストします。
これは本文を暗記することそのものよりも、情報を頭の中に入れる練習として行っています。
音読の文は難しい言い回しや知らない言葉も多いので、覚えるのはかなり大変です。
ただひたすら2分間本文を読み上げて、結局2行くらいしか覚えられなかった・・・なんて子もいます。
でも限られた時間の中で一行でも多く覚えようと練習を繰り返すと、徐々に2分間の使い方がかわってくるのです。
はじめは
「覚えられない!無理!!」
と嘆くだけで2分が経過してしまったけれど、回数を重ねるごとに少しずつ言える量を増やし、今では2分でほぼ全て覚えきってしまう子もいます。
この2分ていう時間もちょうどいいみたいです。
これだけ短いと余分なことは何もできないから、集中するしかないですよね。
ところで文章を覚えるとき、
意味を中心に覚えているか、音を中心に覚えているか
によって、間違え方が違います。
意味派の子は文章の内容を手がかりに覚えます。
ストーリーの流れを思い浮かべて、それを手がかりに文を再構成していくので、間違えるときは「本文には全然でてこないけれど意味的には同じ言葉」にすりかわったりします。
たとえば「横になって」というかわりに「寝転んで」、「見下ろしながら」のかわりに「上から見ながら」みたいに。
一方音派の子は言葉の響きが一番の手がかりになります。
あまり意味を気にしていないのでちんぷんかんぷんな文になったりしますが、たとえば「穴から鼻を抜く」を「鼻から穴を抜く」と間違えるなど、音の響きはそんなに違わなかったりします。
意味派の子は比較的にたくさんの量が覚えられるかわりに、助詞など細かい部分を間違えやすくなりますし、古文などの意味がわかりにくい文はなかなか頭に入りません。
音派の子は呪文のような意味のわからない言葉も以外にスラスラ覚えてしまうので、文の難易度にあまり振り回されませんが、一度に覚えられる量は少なめで、記憶がとだえると続きを思い出すきっかけがつかめなくなります。
どちらも一長一短、「こちらが優れている」というものではありません。
でも、自分の特徴がわかってくると、
「意味派だからわからない言葉はちゃんと把握しておかなくちゃ」
「いつも音が中心だけど、文のイメージもあわせて覚えてみよう」
など、間違えやすいところや自分に合った覚え方を考える手がかりになります。
話のタネに「自分はどっち派かな?」と、親子でちょっと自己診断してみてもいいかもしれませんよ。