最近教室ではネガティブ作文に取り組んでもらっています。
名前のとおり、嫌い、やりたくない、やめてほしい・・・というマイナスな気持ちを書く作文です。
先週は自分が「できればこの世からなくなってほしいと思う嫌いな人・物・出来事」について、嫌いな理由と、どうなったらそれが嫌いじゃなくなるのかを添えて文にしてもらいました。
今週は「将来やりたくない職業」を書いてもらっています。
学校などで書く作文のほとんどは、いいことばかりです。
好きなこと、楽しかった思い出、将来の夢・・・。
でも人間の感情ってそんないいことばかりじゃないですよね。
嫌いなものは嫌い。
思ってしまうものは仕方がないことです。
でもいいことばかり出力しているうちに、自分のマイナスな気持ちにふたをして本心が言えなくなる子もいます。
ただ「あいつウザイ」「これ最悪!」と言うだけではただの愚痴ですが、丁寧にその嫌いのもとを考えていくと、案外「じゃあこうすればいいんだ」なんて解決策が浮かんだりするものです。
多感なこの時期に自分のマイナス部分にきちんと向かい合うことは、前向きに生きてゆくためにもとても大切なことだと思います。
また、いい話はちょっとくらい言葉が拙くてもうまく伝わりますが、悪い話を角が立たないように人に伝えるにはかなりの国語力が必要です。
親切でプレゼントしてくれるいつものお菓子が口に合わない、相手の洋服が似合っていない、手伝ってくれてるけどかえって邪魔、相手が猛烈にオススメしてくれる商品を断りたい。
話をあわせて我慢していては自分がつらいだけ、でもそのまま言って相手の気分を損ねたらトラブルの原因にもなります。
高学年クラスではできればこういうマイナスの気持ちを、どうやって柔らかく相手に伝えるのかも一緒に考えて行きたいと思います。
ネガティブなお題を出すと、いつも気取った文章を書いてる子たちも個性的なおもしろい作文を書いてきてくれるので、読んでいる私もとても楽しいです。
その子のことが、またさらによくわかった気がします。
大人はつい子供たちに望ましい気持ちばかり求めがちですが、たまにはこういうマイナスな気持ちをゆっくり話し合ってみるのもいいかもしれませんね。