ゆとり国語教室のブログ

愛知県犬山市にある小さな国語教室です。目標は塾のいらない子を育てることです。

教えていると腹が立つ

母として、講師として、いろんなママやパパと子どもの話をする機会があるのですが、

「自分で勉強を教えているとすぐ腹が立ってしまう」

「イライラしてつい大声をだしてしまう」

という声をほんとうによく聞きます。

どこのおうちでも、心穏やかに教えるというのはなかなか難しいことのようです。

 

しかし、実は私自身は「誰かに教えていて腹が立った」という記憶がここ数年ほとんどないのです。

普段の生活の中では、理不尽にわが子を怒鳴りつけて後悔する・・・なんてこともしょっちゅうなので、別に私が特別な慈愛の精神を持ち合わせているわけではありません。

学習指導の時だけは、相手がどんなにできなくても全くと言っていいほど腹が立たないのです。

 

いったいどこに違いがあるのかとあれこれ考えてみたのですが、どうも一番の理由は子どもに向き合うときのスタンスにあるような気がします。

私の職業は塾講師。

学習について困っている子を、できるようにするのが仕事です。

だから何かしら「できていないことがある」のが当たり前の状態で子どもに向かいます。

正直なにも問題ない子をみると「私の仕事がない・・・」とちょっとあせってしまうくらいです。

 

一方、親が子どもの勉強を見るときは、基本的に「できていること」が前提になります。

何事もなく理解できていれば「よし、大丈夫だな」と安心することができますが、わからない・解けないとなると緊急事態。

 早く何とかしなければ!と考えます。

この「心配」「焦り」が怒りの気持のもとになるのではないかと思うのです。

お子さんに指導する際には、「このくらいはできていて当たり前」から、「どこかできないところがあって当たり前」というスタンスに切り替えてのぞむと、少し気持が楽になるかもしれません。

 

また、今すぐに何とかしようとすると

「これでわからないなら、一体どうすればいいのよ!?」

と、「わからせ方がわからないこと」に対する怒りが湧き起こりがちです。

健康診断と治療は分けて考えることをおすすめします。

アドバイスしてもすぐ理解が出来なさそうな場合は、大手術や段階的な治療が必要な可能性があります。

「なるほど、こういう問題が弱いんだな」

「このあたりの理解が浅いんだな」

と、詰まっているポイントや原因を探るところまででいったん引いてみて、改めて対策を練る方が、教える方にも教わる方にも余裕ができると思います。

 

「怒り」の気持は直接の原因だけでなく、その日の体調や悩み事などによっても引き起こされるので、なかなかコントロールが難しいものです。

でも気持の持ち方や方法を工夫するだけで楽になる場合もあるので、よかったら試してみてくださいね。