今月は小学生の生徒さんを対象に、主語・述語について集中的に勉強しています。
主語や述語は学校でも習うのですが、ほとんどの子が習ったらすぐに忘れてしまいます。
でもこの主語と述語を抜き出す能力、実はかなり役に立つのです。
たとえば
昨日出会った私の友達の上司だという人は、高そうなスーツを着て人のよさそうな笑顔で話しかけてきたが、話している内容は友人や仕事に対する愚痴ばかりで、私はすっかり幻滅してしまった。
という内容の文章。
一文が長い上にゴテゴテといろいろな情報で修飾されているので、何がいいたいのか読み取りにくい文です。
読むのが苦手な子たちは話があちこちに飛ぶたびに振り回されて、何を言っている文なのかわからなくなってしまうのです。
一文だけならともかく、こんな文がいくつも連なった長文だったらなおさらです。
そこで全部とっぱらって主語と述語だけにしてしまうのです。
この文の主語は「私は」、述語は「幻滅してしまった」
つまり、細かいことはともかく私が幻滅した話が書かれているのだと理解できます。
文の核になる部分がわかると、迷子にならずにその文を読み取ることができます。
長くて難解な文章を読み取る時、ささっと核の部分だけとりだしておおまかな形を把握する、これは長文読解では欠かせない能力です。
また、意外な所では英語を勉強するときにも便利です。
英語の語順はまず最初に主語がきて、次に動詞と習いますが、かなり多くの子たちが
「主語ってなに?」「動詞ってどれ?」
という状態でそれを習います。
正確に主語が抜き出せる子は、すぐにどの言葉から文をつくっていけばいいのかわかります。
あまり細かい文法用語を子どもたちに教え込むつもりはないのですが、使う機会が多い便利なものは幼児さんや低学年からどんどん練習していきます。
ただ覚えるだけではなく、実際使ってみてその便利さを実感してもらえたらと思います。