ゆとり国語教室のブログ

愛知県犬山市にある小さな国語教室です。目標は塾のいらない子を育てることです。

文末の「から」に気をつけよう【作文】

作文の入門として、この教室では一番シンプルな4行作文の練習をします。

4行作文とは、

 

① 意見

② 理由(できるだけ短く)

③ ②で書いた理由を詳しく説明

④ まとめ(もう一度意見)

 

というものです。

正確には4行ではなくて4文ですね。

この項目を満たしながら自分の意見を文にしていきます。

たとえば、

 

①私は早く大人になりたいです。

②なぜならできることが増えるからです。

③大人になると働いて自分で好きなものが買えます。

④だから早く大人になりたいです。

 

というように書きます。

 

2番目で書いた「できること」というざっくりした内容を、3番目の文でどんなことなのか明らかにします。

作文が苦手な子でも4つの項目を満たすだけなので、比較的まとまった形の文が書けます。

この基本の型をマスターした子は、さらに他の型や応用バージョンを組み合わせて、徐々に長い文も書ける様にしていきます。

 

この練習をするにあたって、約束していることがあります。

それは

「~からです。」を使うのは②番だけ!

ということです。

小学生の多くは、とにかく文の終わりに「から」をつけたがります。

長い作文を書いて、半分以上の文に「から」がついている子もいました。

でも、助詞「から」は原因や理由を表すときに使うものです。

理由をあらわしている文は②番だけですよね?

 

型を使って文を書くと、ひとつひとつの文の役割が明確になるというメリットがあります。

文の役割を意識しながら、それにふさわしい言葉や内容を選んでいけるといいなあと思います。

 

困るまで待つ

私が生徒を教えるときに気をつけていることに、困るまで待つということがあります。

 

「今言ったことはノートにメモしておきましょう。」

「読むときはこのことに気をつけてやってみましょう」

「この問題はこのやり方で解きましょう」

 

など、前もって言ってしまえば正直楽ですが、それではただいいなりになっているだけで、なかなか実力には結びつきません。

何かが身につくのは子どもが

困ったな 

どうにかしたいな

と思った時です。

だから困るまでひたすら待ちます。

待って待って、行き詰まったときに初めて指導をします。

 

前に習ったことに答えられなかった時に「書き留めておけばいいんじゃない?」

書き留めたメモが見つけられなければ「見つけやすいように見出しをつけたらいいよ」

ひとつひとつ数えて解くのが面倒になってきたら「楽な計算方法があるよ」

 

困ったと思ったことを解決する手段として提示された指導なら、子どもは喜んで飛びつきます。

できれば早めに教えたいので、困るように仕向けたりはしますが・・・。

 

たまに教室を見学されるお母さんたちは、授業の様子を見て

「ほら、みんなもやってるからこうして」

「さっきの話、ちゃんと書いておいて」

など声をかけてくださる場合がありますが、気になさらなくても大丈夫です。

こっそり閻魔帳(笑)に状況を書きとめながら、声のかけ時や注意のタイミングをはかっています。

 

子どもが間違ったことをしていたら直したくなるし、もっといい方法があるなら教えたくなります。

でも本人がそれで満足している間は、どんなに言ってもうっとおしいだけです。

待つという行為はかなり精神力が必要ですが、ぜひご家庭でもできるだけ先回りせず、子どもの困り時を見極めてもらえたらと思います。

部活と受験

yutorikokugo.hatenablog.com

 

↑こちらは3年前の記事です。
高校に入学してからも通おうとして、日程調整をしたこの子。
でも結局部活があまりにも忙しくて予定が合わず、授業は行えませんでした。
それから2年近く、毎日毎日部活漬けの毎日をすごし、高校2年生の秋ごろに
「そろそろ受験に向けて動かなければ・・・」
と、私のところに来てくれたときは、まるきり学習習慣がなくなって、中学のころにできていたことまでできなくなっている有様でした。
実力をはかってみようとテストを解かせてみると、50点もとれません。
200点満点中で、50点未満です。

 

そこから猛勉強です。

私も毎週見るほど時間はとれないので、月1、2回程度見ては
「これだけやってらっしゃい」
「こういう練習をしなさい」
とメニュー組んだり優先順位をつけたり。
2年間まるっきり勉強しなかった子が、たった1年でどうにかしようっていうんだからかなり無茶な挑戦です。

でも最終的に100点以上点数をアップして、見事第一志望校に合格しました!
先日入学式を終え、今では大学生です。

 

何せ馬力がすごかったです。

2年間部活ばかりやっていて勉強が遅れたといっていたけど、部活をやっていなかったらここまでの馬力は出せなかったと思います。
スポーツとか趣味の世界に没頭して、勉強がどうなるか心配・・・という人もいるけれど、夢中になって何かに打ち込むということは、やはり得るものが多いんだなあとつくづく思いました。

さすがに高校の残り1年で!となるとかなり冷や冷やしますが、小学生の間に夢中になっているものはぜひとことんやらせてあげて欲しいなあと思います。

本気で何かに打ち込んだ子は、意外に他のものも吸収するのがはやいですよ。

 

※現在はスケジュールが詰まっており、この教室で中学生や高校生の長期的な指導はお断りしております。

ご希望の方は長期休暇中などの短期講座をご依頼ください。

今年の自己分析

新しい年を迎え、新年度のことを考えはじめる季節がやってきました。

1月の授業では生徒全員に自己分析を行ってもらいました。

以前の記事「自己分析」にも書きましたが、そんなに難しいことをするわけではありません。

 

①自分ができていること、得意なこと

②自分ができていないこと、苦手なこと(できるようになりたいこと)

③今、できていない原因

④何があれば、もしくは何をすればできるようになると思うか

 

という4つの項目を考えて書き出すだけです。

今回は「学習編」と「生活編」にわけて取り組んでもらいました。

このとき気をつけなくてはいけないのは「国語が得意」「片付けが苦手」などのようにざっくり書かずに、できるだけ具体的に書くことです。

④の内容についても「がんばる」「一生懸命やる」という抽象的な内容は厳禁。

できれば「一日何分この練習をする」「予定をカレンダーにメモする」など、すぐに実行できるメニューを書いてもらいます。

 

この作業を通して、生徒たちの考え方も見えてきます。

自己評価が低い子は、それほど劣っているわけではないのに苦手な項目ばかりどんどん並べます。

特別な目標もなく誰かに与えられたものをただ真面目にこなしている子は、苦手なことが見つけられません。

自分で自分を評価したことのない子は、「お母さんにこう言われたから」「先生によく注意されるから」と誰かの意見で判断します。

 

自己分析は、前回の記事でも書いた「今いる場所」を確認し、そこからどう積み重ねてゆくのか考える作業です。

ふだんは目の前の課題をこなすのに精一杯かもしれませんが、時々はじっくりと自分と向き合ってみましょう。

ただなんとなく流されて得意だとか不得意だとか言うのではなく、欲しい能力を自力で手に入れられるようになってほしいなあと思います。

いまいる場所をゼロに

教室に入ってくる方は

「あれができない」

「これが苦手」

と、何かしら悩みを抱えている場合がほとんどです。

そして多くの場合、親子ともに、できていないことに対してすごく萎縮しているのです。

 

「全然できなくて恥ずかしいのですが・・・」

「もう●年生なのにこんなこともできなくて」

と恥ずかしそうに相談される保護者の方。

「この科目は苦手。向いてない」

「全然できないから見ないで」

と下を向く生徒。

いつも思うのは、

 

「そんなのいいから、前向こう。」

 

中学生や高校生、英語や数学、色々な子の色々な科目をこれまで20年以上教えてきましたから、正直、できない子なんてもう見飽きちゃっています。

中学3年生でアルファベットを正しくかけない子もいたし、中学1年生で九九がいえない子もいました。

難しい計算問題はできるのに文章題ができないある生徒は、実は問題文の漢字が読めていませんでした。

そんなことでいちいち驚いていたらきりがありません。

たとえその子が何年生だったとしても、知らないものは知らない、できないものはできない。

文句言ったってしょうがないのです。

 

できていないのならそこからはじめるだけのこと。

自分が何年生だからなんて気にしなくていいのです。

 

「できなくて恥ずかしい」という感情は、「今の自分に満足していない」「どうにかしたい」というサインです。

それ自体はとても大切なこと。

でもどうにかしようと決めたなら、いつまでも恥ずかしがっている場合じゃありません。

歯医者で

「虫歯があって恥ずかしいから」

と、口を開けなかったら治療できないように、塾に来て

「できなくて恥ずかしいから」

と隠したりうつむいたりしているのは、学習の邪魔になってしまいます。

 

だから、

もういいから、前向こう。

できるようになるために、何をするか考えよう。

教室に来るすべての子どもたちに言いたいことです。

 

どんなにできていなくても、恥ずかしくても、今からはじめるんだから負債はチャラです。

大事なのは、今いる場所にこれからどれだけプラスできるかです。

 

まもなく新しい年を迎えますが、現在の自分の状態をしっかり覚えておきましょう。

今、何ができて、何ができないのか。

恥ずかしいと思うのはどこか。

これからどうなりたいのか。

今のゼロの場所から、2016年という年の間にどれだけのものが積み上げられるのか、楽しみながら学んでいきましょう。

 

みなさんにとって、新しい年が実りの多いものになるように、微力ながらお手伝いできたらと思っております。

2016年もどうぞよろしくお願いいたします。

減らないひき算

最近フリータイムを使って、ひき算の文章問題が苦手だという生徒の解き方をチェックしていました。

文章題が苦手な子は、文をよく読まずに数字の組み合わせで式を立ててしまう・・・というタイプの子が多いのですが、この子はそういう様子でもありません。

「公園に10人いて、家に3人帰りました。」

と書かれていれば

「最初にいたのは10人。3人帰ったから3減る。だから10-3」

と、ちゃんと筋道を立てて式をたてています。

理解できているのに、なぜ学校でそんなに間違えるんだろう?

いったいどんな問題ができないんだろう?

と、あれこれ色々な種類のひき算問題を解いてもらったところ、この子がわからないのは、以下のタイプのような問題だということがわかってきました。

 

30人のクラスのうち、男の子は14人います。女の子は何人いるでしょう?

 

確かにひき算をして解きますが、この問題文の中で別に男の子が帰ったわけでもない。

いってみるならばなにも減らない問題なのです。

この生徒は、何も減っていないのにひき算をするということが理解できず、これまで頭をかかえていたわけです。

 

「文章問題を解くときは、問題文のとおりに式で表していこうね」

などと声をかけていましたが、ただそれだけだとこういう引っかかり方があるんですね。

盲点でした。

 

その後、この子には類似の問題を出し、

「女の子の数がしりたいけど、男の子じゃまだからどいててもらおうか?」

などと声をかけながら一緒に解いています。

だいぶわかってきたようで、自力で解けるようになるまでもう一息です。

 

一口に「わからない」といっても、十人十色の「わからない」の種類があります。

問題文をきちんと読めていない子、パターンで解こうとする子、素直すぎて応用がきかない子、自分の空想や予想を盛り込んでしまう子。

できれば、ただ教え込むだけでなく、その子ごとの「わからない」に寄り添いながら、からまった糸をほどいていけたらなあと思います。

生徒募集状況について

この教室で一度に授業を受けられるのは、最大6名。

かなり少人数です。

最大6名と言いながら、実際はさまざまな理由で定員が変わります。

 

○低学年の定員は基本的に4名

自分で判断して動くのが難しい低学年のクラスでは、一人一人に丁寧に指示が出せるように最大4名までの受け入れとしています。

学年が進んだときに高学年クラスがあふれるのを防ぐという目的もあります。

 

○高学年の定員は状況によって変動

席数だけでいえば6名の受け入れが可能なのですが、新しい生徒や、こまめにチェックしなければいけない生徒がいるクラスでは定員を少なめに設定しています。

 

○一度に受け入れられる新規生徒を制限

新規入塾生の現況を把握して学習プランをたてるためには、かなり集中力が必要です。

このため、基本的に同じ月に3名以上の新規生徒は受け入れないようにしています。

また、同じクラスで一度に新しく入れるのは2名までです。

新しい子がそのクラスになじんで、なおかつ学習プランがある程度決まってくるまでは、そのクラスの新規受け入れは停止します。

 

 

一言で言ってしまうのであれば

「私が一度に指導できる人数=定員」

という単純なルールで決まっているわけです。

だから同じ人数でもこちらの曜日は受け入れOKであちらはNGだったり、同一クラスで受け入れできなかったのに数ヶ月後に受け入れ可能になるということもあります。

わかりにくい仕組みになっていますが、どうかご理解の程、よろしくお願いいたします。

 

 

ちなみに、現在水曜日の高学年クラスを除いて、ほぼ全クラス満席という状況です。

一部のクラスでは空席待ちの生徒さんがいらっしゃる状態です。

しばらくは新しい生徒さんをなかなか受け入れられない状態が続くかと思いますが、また募集状況はツイッターやホームページなどでお知らせする予定です。

入塾をお考えの方はよかったらチェックしてみてくださいね。