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ゆとり国語教室のブログ

愛知県犬山市にある小さな国語教室です。目標は塾のいらない子を育てることです。

今年の自己分析

新しい年を迎え、新年度のことを考えはじめる季節がやってきました。

1月の授業では生徒全員に自己分析を行ってもらいました。

以前の記事「自己分析」にも書きましたが、そんなに難しいことをするわけではありません。

 

①自分ができていること、得意なこと

②自分ができていないこと、苦手なこと(できるようになりたいこと)

③今、できていない原因

④何があれば、もしくは何をすればできるようになると思うか

 

という4つの項目を考えて書き出すだけです。

今回は「学習編」と「生活編」にわけて取り組んでもらいました。

このとき気をつけなくてはいけないのは「国語が得意」「片付けが苦手」などのようにざっくり書かずに、できるだけ具体的に書くことです。

④の内容についても「がんばる」「一生懸命やる」という抽象的な内容は厳禁。

できれば「一日何分この練習をする」「予定をカレンダーにメモする」など、すぐに実行できるメニューを書いてもらいます。

 

この作業を通して、生徒たちの考え方も見えてきます。

自己評価が低い子は、それほど劣っているわけではないのに苦手な項目ばかりどんどん並べます。

特別な目標もなく誰かに与えられたものをただ真面目にこなしている子は、苦手なことが見つけられません。

自分で自分を評価したことのない子は、「お母さんにこう言われたから」「先生によく注意されるから」と誰かの意見で判断します。

 

自己分析は、前回の記事でも書いた「今いる場所」を確認し、そこからどう積み重ねてゆくのか考える作業です。

ふだんは目の前の課題をこなすのに精一杯かもしれませんが、時々はじっくりと自分と向き合ってみましょう。

ただなんとなく流されて得意だとか不得意だとか言うのではなく、欲しい能力を自力で手に入れられるようになってほしいなあと思います。

いまいる場所をゼロに

教室に入ってくる方は

「あれができない」

「これが苦手」

と、何かしら悩みを抱えている場合がほとんどです。

そして多くの場合、親子ともに、できていないことに対してすごく萎縮しているのです。

 

「全然できなくて恥ずかしいのですが・・・」

「もう●年生なのにこんなこともできなくて」

と恥ずかしそうに相談される保護者の方。

「この科目は苦手。向いてない」

「全然できないから見ないで」

と下を向く生徒。

いつも思うのは、

 

「そんなのいいから、前向こう。」

 

中学生や高校生、英語や数学、色々な子の色々な科目をこれまで20年以上教えてきましたから、正直、できない子なんてもう見飽きちゃっています。

中学3年生でアルファベットを正しくかけない子もいたし、中学1年生で九九がいえない子もいました。

難しい計算問題はできるのに文章題ができないある生徒は、実は問題文の漢字が読めていませんでした。

そんなことでいちいち驚いていたらきりがありません。

たとえその子が何年生だったとしても、知らないものは知らない、できないものはできない。

文句言ったってしょうがないのです。

 

できていないのならそこからはじめるだけのこと。

自分が何年生だからなんて気にしなくていいのです。

 

「できなくて恥ずかしい」という感情は、「今の自分に満足していない」「どうにかしたい」というサインです。

それ自体はとても大切なこと。

でもどうにかしようと決めたなら、いつまでも恥ずかしがっている場合じゃありません。

歯医者で

「虫歯があって恥ずかしいから」

と、口を開けなかったら治療できないように、塾に来て

「できなくて恥ずかしいから」

と隠したりうつむいたりしているのは、学習の邪魔になってしまいます。

 

だから、

もういいから、前向こう。

できるようになるために、何をするか考えよう。

教室に来るすべての子どもたちに言いたいことです。

 

どんなにできていなくても、恥ずかしくても、今からはじめるんだから負債はチャラです。

大事なのは、今いる場所にこれからどれだけプラスできるかです。

 

まもなく新しい年を迎えますが、現在の自分の状態をしっかり覚えておきましょう。

今、何ができて、何ができないのか。

恥ずかしいと思うのはどこか。

これからどうなりたいのか。

今のゼロの場所から、2016年という年の間にどれだけのものが積み上げられるのか、楽しみながら学んでいきましょう。

 

みなさんにとって、新しい年が実りの多いものになるように、微力ながらお手伝いできたらと思っております。

2016年もどうぞよろしくお願いいたします。

減らないひき算

最近フリータイムを使って、ひき算の文章問題が苦手だという生徒の解き方をチェックしていました。

文章題が苦手な子は、文をよく読まずに数字の組み合わせで式を立ててしまう・・・というタイプの子が多いのですが、この子はそういう様子でもありません。

「公園に10人いて、家に3人帰りました。」

と書かれていれば

「最初にいたのは10人。3人帰ったから3減る。だから10-3」

と、ちゃんと筋道を立てて式をたてています。

理解できているのに、なぜ学校でそんなに間違えるんだろう?

いったいどんな問題ができないんだろう?

と、あれこれ色々な種類のひき算問題を解いてもらったところ、この子がわからないのは、以下のタイプのような問題だということがわかってきました。

 

30人のクラスのうち、男の子は14人います。女の子は何人いるでしょう?

 

確かにひき算をして解きますが、この問題文の中で別に男の子が帰ったわけでもない。

いってみるならばなにも減らない問題なのです。

この生徒は、何も減っていないのにひき算をするということが理解できず、これまで頭をかかえていたわけです。

 

「文章問題を解くときは、問題文のとおりに式で表していこうね」

などと声をかけていましたが、ただそれだけだとこういう引っかかり方があるんですね。

盲点でした。

 

その後、この子には類似の問題を出し、

「女の子の数がしりたいけど、男の子じゃまだからどいててもらおうか?」

などと声をかけながら一緒に解いています。

だいぶわかってきたようで、自力で解けるようになるまでもう一息です。

 

一口に「わからない」といっても、十人十色の「わからない」の種類があります。

問題文をきちんと読めていない子、パターンで解こうとする子、素直すぎて応用がきかない子、自分の空想や予想を盛り込んでしまう子。

できれば、ただ教え込むだけでなく、その子ごとの「わからない」に寄り添いながら、からまった糸をほどいていけたらなあと思います。

生徒募集状況について

この教室で一度に授業を受けられるのは、最大6名。

かなり少人数です。

最大6名と言いながら、実際はさまざまな理由で定員が変わります。

 

○低学年の定員は基本的に4名

自分で判断して動くのが難しい低学年のクラスでは、一人一人に丁寧に指示が出せるように最大4名までの受け入れとしています。

学年が進んだときに高学年クラスがあふれるのを防ぐという目的もあります。

 

○高学年の定員は状況によって変動

席数だけでいえば6名の受け入れが可能なのですが、新しい生徒や、こまめにチェックしなければいけない生徒がいるクラスでは定員を少なめに設定しています。

 

○一度に受け入れられる新規生徒を制限

新規入塾生の現況を把握して学習プランをたてるためには、かなり集中力が必要です。

このため、基本的に同じ月に3名以上の新規生徒は受け入れないようにしています。

また、同じクラスで一度に新しく入れるのは2名までです。

新しい子がそのクラスになじんで、なおかつ学習プランがある程度決まってくるまでは、そのクラスの新規受け入れは停止します。

 

 

一言で言ってしまうのであれば

「私が一度に指導できる人数=定員」

という単純なルールで決まっているわけです。

だから同じ人数でもこちらの曜日は受け入れOKであちらはNGだったり、同一クラスで受け入れできなかったのに数ヶ月後に受け入れ可能になるということもあります。

わかりにくい仕組みになっていますが、どうかご理解の程、よろしくお願いいたします。

 

 

ちなみに、現在水曜日の高学年クラスを除いて、ほぼ全クラス満席という状況です。

一部のクラスでは空席待ちの生徒さんがいらっしゃる状態です。

しばらくは新しい生徒さんをなかなか受け入れられない状態が続くかと思いますが、また募集状況はツイッターやホームページなどでお知らせする予定です。

入塾をお考えの方はよかったらチェックしてみてくださいね。

算数解説文

今月はどのクラスも算数の問題に取り組んでいます。

学年に応じて、足し算や引き算の文章問題や、割合、長さの問題などに取り組んでもらっています。

ノートは式や計算で埋まっていきますし、

「先生、長さの単位忘れちゃった」

「あれ?どれをどれで割ればいいんだろう?」

など、飛び交う質問も算数の内容ばかりで国語教室だっていうことを忘れてしまいそうです。

でも、これで終わりじゃないんです。

問題が解けて、しっかり理解できたら、ここからが本番。

 

 

この問題の解説文を書いてください。

 

 

その問題がよくわからない、解けないという子を想定して、その子が

「なるほど、そうやって解くのか」

と、わかるような解説文を書いてもらいます。

ただ式を書いて解き方を示すだけでは読み手に納得してもらえません。

どの数字が何を表しているのか、どうしてそういう計算をするのかをきちんと伝える必要があります。

あやふやな理解のまま答えを出している子は、自分でもどうしてそうなるのかわからなくて説明できませんし、ささっと解けてしまう子はわからない子の感覚がわからなくてどう説明していいのか苦戦してしまいます。

 

人に説明するためには、ただ問題を解くよりももう一つ深い理解が必要です。

最初から問題に正解している子でも

「ああ、そういうことだったのか」

と、いろいろ気付きがあるようです。

 

解説文作りは算数以外でも、歴史上のできごとや、電気の仕組みなど別の教科でもできます。

もう一歩理解を深めたい子は、ぜひ挑戦してみてくださいね。

感想文指導のコツ③~下書きの進め方~

感想文のコツシリーズ完結編は、下書きについて。

感想文指導のコツ①~いきなり原稿用紙に書かない~

感想文指導のコツ②~設計図を作る~

の続きになります。

 

下書きをする前に私が子どもたちに約束するのは2点。

 

●字は、読める範囲であれば汚くてもいいので、立ち止まらずにスピーディーに書くこと。

●消しゴムは使わないこと。

 

どちらも書くときの勢いを大切にするための約束です。

作文は頭の中で文を作りながら書くので、もたもたしていると浮かんだ文が掻き消えてしまいます。

下書きは自分用に書くものなので、字の美しさや正確さにはこだわらず、頭に浮かんだ文をどんどん文字にしていきましょう。

漢字が思い出せないときや点の位置で迷うときも、いちいち立ち止まったり調べたりしないで、簡単に印をつけておいて、後でまとめて検討しましょう。

その方が時間の無駄も少なく済みます。

ふだんから、メモや下書きなど自分用の素早い書き方と、人に見せるための丁寧で正確な書き方、両方使いこなせるようにしておくと良いですね。→くわしくは清書と下書きの書きかたへ。

 

また、消して部分的に直したりすると、文のバランスが崩れて文頭と文末が合わなくなることもあります。

何よりゴシゴシ消す作業に時間を費やして、書く流れを止めるのがもったいないので、ササッと線を引いて取り消して、別の場所に書き直すことをおすすめします。

 

 

さて、子どもが文を書いたら指導者は本文をチェックしますが、そのときに私が気をつけているのは

●必ず小分けにチェックする

 ということです。

 

設計図どおり全部書いてから確認すると、おそらく書き直し部分が大量に出てくると思います。

書き直しが多ければ多いほど、こどもは疲れて不機嫌になりますし、時間もかかります。

効率よく進めるには、1段落ごとくらいにチェックしてあげると良いとおもいます。

また、子どもの書く手がとまった時も迷っている証拠なので、一度声をかけて相談にのってあげるといいでしょう。

 

うまく設計図がかけていれば、設計図の項目がそのまま段落になると思います。

1項目が書き終わるごとに、予定していた内容が予定していた通りにかけているか、話が脱線していないか、長さは予定していたくらいかけているか、言葉の使い方は正しいかなどをチェックします。

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画像は1年生の子が『スイミー』を読んで書いた作文。

右側にあるのが設計図で、左側にあるのが実際に書いた下書きです。

段落と項目が対応しているのがわかるでしょうか?

 

この設計図を一緒に確認しながら、

「予定ではここの話で1枚目終わるんだけど、この段落もうちょっと長めに書いたほうがいいんじゃない?」

「この段落はスイミーのいいところをアピールする段落だから、できなかった話は別の段落で書いた方がいいよ」

などアドバイスをします。

 

設計図どおり、ひとつひとつ進めてゆくので進んでいる感が味わえますし、途中で中断しても比較的スムーズに続きから書き始めることができます。

一番うれしいのは、上から下まで書ききったら下書き完成だということです。

戻ってやり直しさせられるほどつらいものはないですからね。

 

 

このような形で下書きを終えたら、あとは一度声に出して、おかしいところはないか確認すると良いとおもいます。

漢字や点の位置もこのときにあらためてチェックしましょう。

これで下書きは完成。

あとは清書したらできあがりです。

清書の方は人に見せる用の綺麗な字で書きましょうね。

 

清書のコツというのは特にないのですが、まだ字が拙い子などは自分の字を正確に書き写すことに苦労する場合もあります。

子どもによっては指導する人が読み上げてあげるとスムーズに進むと思います。

 

 

以上で感想文指導のコツシリーズは終了です。

今年はもう書かれたという方も多いかもしれませんが、機会があったらご家庭でも試してみてくださいね。

感想文指導のコツ②~設計図を作る~

今日の記事は感想文指導のコツシリーズの2つ目。

感想文指導のコツ①~いきなり原稿用紙に書かない~

の続きになります。

 

充分打ち合わせをして書く内容が決まったら、設計図を作成しましょう。

設計図とは、どんな話をどんな順番に書いてゆくのか、作文全体の流れを簡単に書きとめたものです。

短い文章なら自分の頭の中に覚えておいて思い出しながら書くこともできるかもしれませんが、2枚3枚と長文を書くなら、どういう順番で書くのか設計図が手元にあったほうがスムーズに進められます。

細かい文章にはしなくてもいいので、目次をつくるような感覚で作ってみましょう。

子どもがいきなり自分で書くのは大変かもしれないので、慣れていない子の場合は相談しながら指導する方が手伝ってあげると良いとおもいます。

 

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↑こちらは私が例として作成した設計図です。

幼児向け絵本『ぴょーん』の感想を書くことを想定して作ってみました。

左端にゆくほど大きな話題、右端にゆくほど細かい話題が書かれています。

 

これを見ながら、口で感想が話せるのなら、もう原稿用紙に書いていいでしょう。

 

ここで大切な作業がもうひとつ。

それはどこで何枚書くのかざっくりきめておくことです。

 

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 ↑こんな感じで。

黒字で書かれているのが2枚書く場合、赤い字で書かれているのが3枚書く場合の境界線です。

おおよその目安なのできっちり区切る必要はありません。

私はいつも、全体の流れの真ん中を決め、それを基準におおまかにどこで何枚かくのか決めてしまいます。

くわしくは作文・スピーチの量を調節するをご覧ください。

 

 

全部書き終えたと思ったら大幅に字数がオーバーしてしまった、逆に3枚書かなくてはいけないのに2枚で全部の話題が終わってしまった・・・となると、後で直すのが大変ですよね。

だから途中途中でこの設計図を見て、

「あ、この話題でもう2枚目に入っちゃったから、次の話題は少し短めに書こう」

「ちょっと字数がたりないから、ここから少し詳しく書くことにしよう」

と、微調整していきます。

全部書き終わってから10行、15行増やしたり減らしたりするよりも、途中の話題ごとに1行2行調整する方がずっと楽ですよ。

 

さて、ここまでできたらいよいよ原稿用紙に書き始めます。

次は下書きの書き方についてお話したいと思います。

 

★続き★

感想文指導のコツ③~下書きの進め方~